

旧軍ライフルの特徴、遊底覆いです。
私の知るところでは、ダストカバーに初期、後期の違いは無かったと思います。セーフティ・ノブの
形状は3種類あって、初期の物は外側(外周)にも細かい横溝が彫ってあり、また、暗闇にてON
‐OFFを確認出来る様に、一部が外に出っ張っています。その後、外周の横溝が省略されます。
そして最終的にはON‐OFF確認の出っ張りが、半円の引っ込み(↑写真参照)に変化しますが、
これは切削加工を容易にする為と思われます。写真はその後期型です。
ノブを外すと、ボルトの内部にはファイアリング・ピンとメイン・スプリングしか入っておらず、恐らく
世界一シンプルな構造ではないでしょうか?そして、このセーフティはボルト開放の状態ならば、
単独で外す事が出来ます。つまりメイン・スプリングとファイアリング・ピンを交換するだけなら、
ボルトすら抜く必要が無いのです(但し、ダスト・カバー無しの状態に限ります。ダスト・カバーが
あると、ボルトは外さねばなりません)。また、セーフティがONの状態ではファイアリング・ピンを
直接ブロックしますので、トリガーやシアーを固定するタイプより信頼性が高いと言えるでしょう。
ところが、この部分のデザインを欠点とする意見もあります。当時の軍用ボルトアクションでは、
多くの物がこの場所にファイアリング・ピンと直結したコッキング・ピースがあります。ですから、
ボルト・ハンドルを操作しなくても単独でファイアリング・ピンをコック出来ます。しかし三八式に
は、それがありません。コックするには必ずボルトを操作しなければならず、それが欠点である
と言うのですが・・・この「欠点」については、個人的には無視しています。ファイアリング・ピンを
単独でコックする必要性が、軍用銃にどうしても必要とは思わないからです。「当時の弾薬は、
不発が多かった為・・・」と言うのも、どうも納得が行きません。私は当時のサープラス・アモを
使った事が何度もありますが、米国やドイツ製に関しては不発は皆無でした。まあ、数百発で
結果は語れませんが、何れにせよ不発の際は再装填が賢明と考えます。
不発の件は兎も角、コッキング・ピースを廃し、写真の様なセーフティ・ノブを装着した為、不良
弾薬などを発射して、万一高圧ガスが後ろに吹き抜けた際に、このセーフティが「防波堤」の
役割をしますので安全性は高くなります。私はむしろ、そちらの有効性の方を買いますけどね。

写真では良く捉え切れませんでしたが、4条メトフォード・ライフリングの為、ボアは四角張って
います。九九式ではボアにクローム・メッキが施されますが、三八式ではメッキはされません。
サイト・プロテクターは少々貧弱な感じがします。写真の物も、既に少し曲がっています(笑)。
これは九七式狙撃銃でも起ったトラブルですが、クリーニング・ロッドの固定が甘く、射撃中に
飛び出して来る事がありました。九九式では固定が頑丈になったので、そう言ったトラブルは
ありません。

騎兵銃や九九式と異なり、リア・バンド(写真右のスリング環の付いたバンド)から
先のバレルは、上半分が剥き出しになります。この部分は射撃時に熱を持ちます
から、上半分だけ露出していると上下の放熱率の差によって、バレルが反れる・・・
と言う話もあるようですが・・・う〜ん?競技銃レベルの話なら兎も角、軍用銃では
問題になるほどの影響では無いと思います。確かに、これより短い銃に於いては、
バレルの殆どを覆うタイプになっていますけどね。
軍用とは関係無い話ついでに、この露出部分は錆が発生し易い箇所です。熱を
持つ上に、人間が手で触る事が多いからでしょうね。現在、この部分が錆びてい
ない物を探すのは難しいですよ。写真の銃はチョイ錆程度(笑)。