タンジェント・サイト

2000mまで刻まれたスライド式のタンジェント・サイト。ブレードはオープン・タイプのVノッチです。
ピープ式との優劣は?・・・まあ、これも一長一短と言ったところだと思いますが「精度のピープ式、
速射性のオープン」と言った感じでしょうね。





これは初期型に限りますが、このサイトには裏側にも目盛があります!

何で?最初は理解できませんでしたが、恐らく、地面に伏せた状態でも目盛を読んでアジャスト出来る
ように配慮されているのだと思います。つまり、伏せて頭を下げた状態(銃を構えた状態)でアジャスト
する場合、左手で写真の様にサイトをピョンと跳ね上げて、そのまま目盛に合わせてスライドさせ、再び
パチンと倒せば、それで完了する訳です(くれぐれも上の状態で三八式の様に照準する訳ではありま
せんので誤解の無い様)
。裏に目盛を刻む事で、姿勢を崩したり、頭を上げる必要が無くなるのです!
やってみれば分かるのですが、伏せ撃ちの姿勢から上面の目盛りを読むのは困難です。


・・・って凝り過ぎですよ(笑)。速攻で省略されましたとさ。でもスゴイよね!頭イイ!

結果的に省略されても、こう言う点まで配慮出来る「デザイナー魂」を高く評価したい!
某国の某現代自動小銃の倒れるサイトを設計された方には是非見習って―以下略―







カップ・バットプレートとファイアリング・ピン分解金具

ラミネート・ストックや、反対側に突き抜けるスリングは既に説明しましたが、真中にある丸い
金属ボタンの様な物は何?これはシュラウドとファイアリング・ピンを分解する際に利用します。
金属ボタンは真中に穴が開いており、そこにファイアリング・ピン先端を差し込み、スプリングを
圧縮、そしてすかさずコッキング・ピースを90度回転させて分解します。



・・・てな感じ。
その辺の適当な穴を利用しても出来ますが(笑)、親切設計です。これは末期型では省略されますが、
それでもバット・プレート下部に穴を貫通させて、これの代用とさせています。こうまでするのですから、
ひょっとすると兵士がピンの先端を机等に押しつけて変形させる事が多かったのかも知れませんね。

横道に反れますが、この分解をやってみて、日本の旧軍小銃が如何にシンプルで合理的かを再認識
しました。三八式や九九式なんて、ボルトを銃に付けたままでファイアリング・ピンとスプリングを分解
交換できますからね!(但しダストカバー付きだと銃から抜かねばならないが)カバー無しなら10秒!
カバー付きでも30秒以内でピンとスプリングを交換できます。もっとも、そんな方法は軍のマニュアル
には載って無いでしょうが。あの銃は世界一シンプルで合理的なボルト・アクションかも知れません・・・

でも、軍用ではなく、一般商品としてならばマウザーですけどね!この辺が難しい・・・







フロアー・プレート

この辺も端整ですね。
中期以降のプレス型では見る影も無くなりますが・・・。フロント&リア・スクリューには緩み
止めのスクリューすら備わります!・・・が、勿論その後省略!(笑) まあ、省略化された
銃にも独特の機能美ってのがありますけどね。私はどちらも好きです。

マガジン・フロア―後部(トリガー・ガード前方)の丸いピンは、フロアーのストッパーです。
ここを弾頭などで押し込んで、フロアーを下方(トリガー方向)にスライドさせて分解します。
再びアリサカの話題になりますが、これは九九式の方が絶対やり易い!残弾を簡単に
排出すると言う点では九九式は大変優れています。しかしドイツの場合、これは技術云々
では無く、あまり重要視しなかったのでしょう。スプリングフィールドM1903の簡略型など、
フロアー・プレート一体式(笑)ですからね。









初期型部品

このあたりのルックスは、末期型とは全く別物です。(末期が別物なのか・・・)

フロント・サイトにはプレス・スティールのカバーが付きます。これは初期型以降の装備で、
それ以前は、ガードも無い剥き出しのサイトでした。マズル・キャップ兼用のサイト・ガードで
保護していたのですが、射撃の度に外さねばならず、これはやはり必然的な改良ですね。

クリーニング・ロッドは、長さが約318mmしかなく、当然これだけでは使用出来ません。
先端にもメスネジが切ってありますので、何本か継ぎ足してやっと用を成します。これは
完全な非常用で、通常のクリーニングは別携行の缶入りキット(チェーン式の銃口通しが
入っている)を使用したと思われます。兵士がそれを使用する【当時の写真】が多くあります。
この銃に限らず、銃付属のロッドはクリーニングでは無く、主に叉銃用のステーキング・
ロッドとして使用したのだと思います。(詳しくはFAQを参考)

ファイナル余談
上で話しが出た【当時の写真】ですが、兵士達が皆で雑談しながら手入れをする写真を
見て、何か痛ましい気持ちになりました。「コイツは生き延びたのかな・・・?」なんてね。
この銃の「本当の持ち主」はどうだったのでしょうね?天空のヴァルハラで、ワインでも
飲んでいてくれると私も気が楽なんですが・・・
(つーか、ジジイと化して未だにのさばってたりして。案外・・・)







関連ページ

FAQ46 セーフティ・ラグに関する件









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